テント泊縦走3日目 2010年9月14日
パタパタとフライがはためく音で目覚めたのがたぶん、、、3時頃かな。
雨が降ったら嫌だな〜〜と思いながら寝袋の中で過ごす。
ほどなく人の声…そうか、、御来光を見るために石室から人が出てきたのだ。
どれ、、私たちも起きるか。 4時20分 起床。
桂月岳の登山道を見ると、よく富士登山で見られるようなヘッデンの灯りが
登っていくのが見える。
御来光を待ってる間は寒いので、がっちり着こんで出発。
夢だった富士山からの御来光を見た品丸は言う。
「富士山からの御来光よりも、2人で北岳から見た御来光以上に感動するものがない」と・・・・。
ウレシイこと言ってくれるじゃん。
まあね…構想6年、、苦節3年越しの御来光だったからね。(南ア2007参照)
桂月岳の山頂には、多くの人が今や遅しと朝日が昇ってくるのを待っていた。
5時ちょっと前。。。明るくなってきた。 おおぉ〜〜〜(どよめき)
ほのかに東の空を赤く染める。
層雲峡には雲海…。この雲海の下に国道やら温泉街があると思うとなんだか不思議。
だって、、単なる谷合いじゃないんだもん。
御来光も好きだけど、私はこの層雲峡にかかる雲海も好きだな。
雲がかかってにぶ〜〜〜い色だけど、このボンヤリ感がまたいい感じ。
眼下の雲海は、ゆっくりと流れていく。
尾根にぶつかったところなんかは、滝のような流れに見える。
薄くかかっていた雲から太陽が出た。
その間、赤岳方面では、雲がひっきりなしに湧いたり消えたり。
どこかのおじさんが「天井雲ができるときは、天気が崩れるんだ…」と。ほぉ〜。
太陽が昇りきってしまうと、次々と山を下りていく。
品丸と私は、しばし静かになった山を楽しむ。
お鉢がほんのり赤くそまり・・・
品丸にも朝日があたる。
どうしよう、、、また ウッケ〜〜〜る とかつぶやいてたら。
稜雲岳の裾には、影黒岳。 ぼんやり台形に見える影がそうだよ。たぶん。
雲の平もだいぶ明るくなってきたようだ。
桂月岳を下りて、石室の皆は朝ごはんの準備だ。
私たちは急ぐ用もないので、雲の平を少し散策。
この広々とした大地に当る朝日は、草紅葉をよりいっそうきれいに見せてくれる。
昼間の太陽とは違った明るさと暖かさを、朝の光は持ってると思う。
紅葉にちょっと浮かれ気味な2人の影。 朝飯前なのにテンション高!
チングルマの穂に当る朝日。 なんとも言えない癒し感。
ポコポコの大地や〜。
夏にはバイケイソウが咲く場所。ん〜〜お気に入りの景色だ。
ウラシマツツジの赤 チングルマの赤 ナナカマドのオレンジ・・・
風にゆれるヤマアワ? 秋だよね〜。
ほんの少し歩くだけでまた違った風景に会える。
雲の平を充分に楽しんでテント場へ戻る。
そのころには、「朝日」ではなく単なる「太陽」になっていた。
さて、、テント撤収。この風のおかげでフライの水滴も飛ばされてるのか
昨日のように拭くほどではなかった。
本体を撤収してる間にフライを乾かして、、パッキンも昨日よりは素早く済んだ。
今日の朝食は、残ってる食料すべてだ。
あ。。。今思い出した。 そういや北海岳での昼食はコーヒー我慢したんだった。
朝コーヒーを飲みたくて、白湯を飲んだんだった。
市根井氏がわざわざ挨拶に来てくれた。
これから白雲へ荷物をデポしに行くと言い残し、石室を後にしていった。
天気悪くなりそうなので、一度下山するようなことも言ってたけど…
どうぞまた素敵な一瞬を撮ってきてくださいませ。
のんびりと7時55分 石室を後にした。
この時間になると、早朝から登り始めた人とチラホラとすれ違う。
品丸と何度も何度も振り返り、ちょっと早い紅葉を目に焼き付ける。
考えたら私、今年は春、夏、秋と3シーズン来たことになるんだ〜。
やっぱり来年は、高根ヶ原方面かのぉ〜。 どう?品丸?
登るにつれて、春、夏と見た草花の秋の姿を目にする。
遅咲きのイワギキョウやメアカンキンバイも…。
これまで見たウラシマツツジとは明らかに違う熟女なウラシマさんたち。
当たり年と言われるほどに咲き乱れていたチシマツガザクラ。
大勢の人で賑わう黒岳山頂に着いたのは8時40分だった。
白雲岳〜北海岳
眼下の紅葉の色づきもきれいです。
深い黒岳沢の向こう側には、愛別岳。 品丸はここもリベンジしないとダメか?
あのカップルさん、、登ったのかな?
彼氏は登ったことなかったようで、、気乗りしてなさそうだったけど…。
赤岳〜烏帽子岳
そういや、、とある団体さんが山頂のいた。
お客さんが「昨日登った赤岳はどれですか?」という質問に、ガイドさん?添乗員さんが「ここからは見えないんですよ」とひと言。
品丸と「え???? 見えてるし…」 展望看板と見合わせながら「これだよね」と確認。
集合写真を撮ったのを見ると、、アノ事故で有名になった会社のツアーでした。
なんだかなぁ〜〜〜。
のんびりまったり過ごすこと35分。 どれどれ、、下山するか。
降り口はちょっと急。
荷物も重いので、慎重にね。ずり落ちられても、助けられないですから…
マネキ岩を見下ろすと、木々が色づき初めていた。
黒岳の登山道の紅葉はどちらかというと黄色に染まる。
ウコンウツギの黄色がキレイなんだよね。
途中、小屋のスタッフの方に追い越される。
「ずいぶん早く出たのに、まだここに居たんですか?」だって。
いいやん! どんだけゆっくり歩いたって。
ハイオトギリの葉っぱが真っ赤に紅葉。
光の加減にもよるけど、今年はちょっと残暑のせいでお疲れ気味の紅葉なんだろうか?
常日頃見てる人に言わせると、、今年の紅葉はイマイチなんだとか。
品丸に言わせりゃ、ちゃんと見えてるんだから、それだけで充分。
そりゃそうだ。
このあたりで、またまたどこかで見た顔と遭遇。
「あらあら、、ご無沙汰してました」 と挨拶。
こちらも石室で良く会った人だ。 ん〜〜〜〜〜、、、名前忘れた
いい色だね〜。
大雪山の情報を出してるブログによると、今はもっと鮮やかな色合いになってるとか。
秋色 秋色。
どんどん標高を下げるにつれてなのか、、なにやら暑さがじんわ〜〜り身に沁みてくる。。
下界は夏日だって言うじゃない…。
モンキチョウ
リフトのアナウンスの声が聞こえてきた。 もうすぐだよ!
腰に堪える下山はちと苦手な品丸。あのゴロゴロ岩も苦手なんだよね。
10時40分 七合目到着。 ふぅ〜〜疲れた〜〜〜
下山の届けを書いて、リフトのチケットを購入。
ぼーっとしていたのか、おつりをもらい忘れるところだった。
それにしても、ここの売店のおばちゃんたちはいつ来ても元気だよね〜。
疲れふっとんでいいけどね。
しばし休憩?
ザックの大きさのせいか、痩せてみえますね〜〜。
リフトを下り、高松台にちらっと寄り道。
私 「ここから黒岳が見えるんよ」 品丸 「おおお〜〜良く見たら急だよね」
ロープウエイに乗り込むと、またまた石室スタッフのくまさんと遭遇。
洗濯物が入ってるであろうでっかいザック。 パッキンしきれてなくね?
「また遊びに来て下さい」と笑顔で見送られた。 「また来ま〜〜す」
11時35分 層雲峡着。
3日間、じっと待っててくれた車に「今帰ったぜ。無事にだったかな?」と声をかける。(車上荒らしに遭ってないかの確認)
重いザックから解放された私たちは、温泉へと向かうのでした。
〜エピローグ〜
時間が早いので、お風呂は貸切状態。3日分の垢を落としてすっきりさっぱり。
のんびり入って、階下にあるイタ飯屋さんへ。
ちなみに、、このイタ飯屋さん・・・
今年、2度来た時はいつも臨時休業で食べられなかった。
イタリアン好きの品丸には、是非食べてもらいたかったので開いてて良かった♪
品丸、、メニューを見ながら「今度は下山してここで食事して、どっかに一泊だね」
おおーーーーい。下山後の予定から逆算で日程組まないとダメですかぁ??
嵐を呼ぶ女と異名を持つ品丸ではあったが、、今回の晴れ続きで撤廃?
特に、職場の山仲間には「天気が悪いのは私のせいじゃないから!」と
はっきり言うそうだ。んだんだ。
品丸の中では 大雪山=暴風雨 というのがお決まりパターン。
まあ、、大雪山に限らず比較的「白い山行」が多いのだけど・・・
(白い山行=ガスって展望なしの山行)
正直言って、計画を立てた私でさえ、品丸との大雪山はちょっと鬼門でした。
終わってみれば、紅葉にはちょっと早かったかもしれないけど、これだけ晴天下で静かな山を楽しめたことを、品丸も喜んでくれたので計画した私としても嬉しかったな。
下山後は札幌まで私を送り、その足で函館まで帰る品丸のパワーに敬服せざるおえません。
ちなみに、下山後のテントやらなんやらの後始末…。一日がかりでした。
すぐに休みもらっておいて良かった〜〜。
山は、気が置けない友と行くのが一番楽しいね
それにしても、テント場でのお酒、、美味かったなぁ〜〜〜